なもなきブログ

オチも結論もない自己満の自分語りです。(まあブログってそんなもんだよね)要するに読む価値無しってこと!

One Loveの蛇足

 新刊「One Love」について、執筆中に考えていたことを書いていきます。例に漏れず隙自語です。
 作品のネタバレがあると思います、まだ読んでない方はお気を付けて。
 個人の主観による生と死についての持論を書きます。苦手な人は読まない方がいいかもしれません。
 つまるところはメンヘラの自己提示です。時間の無駄だから読まない方がいいんじゃないかと思います。

 こんばんは。なんで夜って決めつけてるんでしょうか?
 この度は桃色ネクターの新刊「One Love」を読んでくださりありがとうございます。読んでくださってない方はありがとうございません。
 まーた人様の楽曲から題名を拝借したな?とお思いの皆さん、はいすいません。
 はじめて100ページ以上の本を作りました。短編集なので1話1話は短いですが。以前に元カノのために好きでもないCPの小説を1ヶ月半ほど掛けて3万文字ほど書いたことがあります。その際お話を作るのに紙にネームを100ページちょい描いたことがありました。肌が荒れご飯を食べる気力もわかず無い胸がさらに無くなったり鎖骨の下に見たことないくぼみができたりしたのが2年前くらいになります。うわ。
 ようやくその時の自分を追い越すことが出来たと思います。元カノのことを吹っ切れることができたかといえばまあ10%くらいモヤモヤすることもありますが。
 推しカプで自分のために100ページ描けた事実が嬉しいです。よかった。

 今回の本、背幅が10.5mmらしい。メジャーで計ってみたら1.2cmくらい、おまけ本も合わせてみると1.5cmくらいでした。私の同人誌用の本棚には分厚い本(背幅が大体1cm〜)とアンソロジーしか入れない段があるのですが、そこに並べてみた時の感動はひとしおでした。分厚い本文用紙を使っているので割とサバ読んでるんですけども。薄い紙で作ってたら7mmくらいまで縮みます。

 100ページって文字にするとすごいように思うけど、ただ100ページ描くだけなら多分誰だってできるんだと思います。時間さえあれば。(たぶん継続して本を作ってる人は今までの作品のページ数足したら100ページってすぐ行くでしょう。)ただそれをひとつの作品として、完成させて形にして、誰かが読んで良いと思うものを作るのが大変というだけです。色んなご意見あるかもしれないけど、少なくとも私はそう思います。

 それはさておき、そろそろ本文に触れましょうか。
 今回の本は特に1話目と6話目が描きたくて作った本です。最初の方にその2つの話を思いついて、アンソロとかできたら面白いですのにと思っていたら芋づる式にほかのお話も思いついちゃったといういきさつです。
 この2つのお話(と2話目のお話)は、私が今までに近くに感じた死の存在や経験が深く影響しているのかなと思っています。

 1話目のImaginary Affairは、まあ言ってしまうと、私が経験したことの焼き直しでした。
 これを読んでいる人の中に、今まで私のブログを読んだことある人はいるかな?もし読んだことがあればピンと来ているかと思います。
 花で救われたいと思っているのは遺された人間だ。
 サンズの役どころは現実では私でした。トリエルの役どころは現実では部長でした。フリスクの役どころは現実では1人で勝手に死んでしまった先輩でした。ほかのキャラクターも、彼らの役どころはあの日、体育館に居合わせた人達でした。

 このお話、サンズが家に帰ってから100年が経過するまでの間にサンズが1人だけで(=彼自身の中で)発する言葉は「どうして」と「フリスク」というモノローグしかありません。
 登場人物がどう言った気持ちでいるのかが読者にとっても伝わりにくかっただろうと、書いた本人が言うのもなんですけど、そう思います。手抜きに思うかもしれないですが、意図があってこうしました。

 私は当時、私の気持ちを誰かにわかって欲しいと思いながらも、誰にもわかられてたまるかと思っていました。ブログにしたためるまでは、自分の気持ちを言葉にしても誰にもわかってもらえっこないと思っていました。今でも思っているけど。ブログにあの時のことを載せた頃は、もう別に分かってもらわなくてもいいやと思いました。誰に何を言われようと思われようと、私の心の内を知って、それを評価する筋合いがあるのは他ならぬ先輩だからです。実際正直に思ったことをうちあけたところで、私の気持ちを本当にわかってくれる人など今までに会ったこともありませんし。

 だから、サンズの気持ちを私や読者が知る筋合いなんて無いと思いました。彼の気持ちを知って、それを評価していいのは、フリスクだけだと思ったからです。誰にも彼の本当の気持ちを知らせてはいけないと思いました。トリエルもパピルスもアンダインもアルフィーもグリルビーも踏み込むことはできない領域だと思ったからです。彼の気持ちはフリスクだけのものです。私たちは知ってはいけない、想像をめぐらせることしか許されないのです。

 何を言っているんだか。最後の3ページにモノローグがびっちりあるじゃないか!などと思いますか。
 あの独白が、彼がフリスクに語りかけた本音なのでしょうか。もしかしたら彼が彼自身に言い聞かせるための都合のいい呪文なのかもしれない。
 もしかしたら深い悲しみが、もしかしたら重苦しい懺悔が、もしかしたら燃えるような憤りが、彼の胸の底にあるかもしれないのに?時間という、誰にもどうしようもできない存在が、彼が持つ気持ちを発散する手立てを消してしまっていたとしても?

 なんて、これも私の想像なので、彼が本当に何を思っていたのかなんて分からないのですが。どうしたって私たちには彼の心を覗く権利すら与えられないのですから。

 それは、6話目でサンズに先立たれたフリスクにも同じことが言えます。彼女が感情を吐露する台詞やモノローグを入れなかったのもそのためです。妊娠が発覚した時のモノローグは彼女の決意です。サンズを悼む言葉ではありません。

 おまけ本に載せた「Imaginary Affair」の前日譚「imaginary」は、以前に自分が死のうとした時のことを思い出しながら書きました。失敗したからこそこんなのうのうと生きてますが。
 興奮状態が一周まわって冷静になった気になったのです。ただそう、興奮の上に成り立つ冷静な気持ちというのはもう冷静とは程遠いものです。言い訳のように次々と頭の中には自分の思っていることがばーーーっと浮かび上がるのです。きっとそれは自殺をすることに正当性があることをどうにか立証したいからです。

 フリスクは……彼女はきっと、あの後ハシゴに強く頭を打ち付けることとなるでしょう。痛みが彼女を襲うのが先だったのでしょうか、気絶するのが先だったのでしょうか。彼女を最初に見つけたのはきっと彼女の"ママ"だ。その時の第一声は?"ママ"と"パパ"はどんな会話をした?トリエルに訃報を知らせたのは誰?……どうであれ、彼女は死ぬことができた。
 それは、少なくとも彼女にとっては良い事だったんじゃないか?

 そろそろキャラクターに自己投影をするなよというブーイングが起こりそうですね。一昨日来やがれ。

 良い話でもするか。それでは6話目、「ワンハンドレッド ライフ」のお話をしようかな。多分短くなってしまうけれど。

 おまけ本にも書いた通り、自分が経験したことの無いライフステージを描くのは本当に難しかったです。特に結婚とか妊娠とか出産とか、おそらく私には本当に縁がないことだと思います。それはセクマイだからとかではなくて、単に他人との共同生活に向いてないだとか、子供を孕みたいと思わないからとかそういうこともありまして。そもそも人間性に難がありすぎる。
 身内でも他人でも結婚式とか行ったことないし、お産に立ち会ったこともないです。だからできる限り色んな人の話を聞いて、観察して、私の想像の精一杯を尽くして、解像度を上げてみたつもりです。生きてる時のことも分からない、死んだ先のことも分からない、分からないだらけや。

 死のお話です。今まで自分が関わった死を沢山思い出しました。6年くらい前だったでしょうか。その年回りが、凄く死と密接だったのです。
 私が高校を卒業した3月の頃に母方の祖父が亡くなりました。大学1年の正月に先輩が亡くなりました。私が大学2年生になった4月の頃に祖父を追いかけるように祖母が亡くなりました。1ヶ月後の5月に私が自殺を図って失敗しました。6月に11年一緒に育ってきた大好きなオキナインコが亡くなりました。
 今思い返すと、ここの2年間、近しい人と動物がこんなに死んでいたんだなぁとビックリしました。

 祖母が亡くなった時に母が言った言葉がとても印象的でした。お葬式の前日に死化粧をした祖母の顔を見ながら私と母は祖母の話をしていました。その中で、母は「もうこれで痛い思いをしなくて済む。もう痛くない。」そのようなことを言っていたのでした。
 パーキンソン症候群を患っていた祖母は体の自由が効かずによく転んで、骨粗鬆症の為にたくさん骨折をしました。電話をした時に元気?と聞いたら元気じゃないと言いました。
 死ぬ間際に、腸にできたポリープのせいで沢山出血をしてしまった大好きなインコが亡くなった時にも、インコの体を撫でながら同じように「もう痛くない」と言いました。

 フリスクが亡くなって、それを見たトリエルの言葉は、母の言った言葉がとても印象に残っていたからこそ思いついた台詞でした。
 フリスクの"母親"という役割を持つトリエルが言う言葉は、それしかないという確信がありました。


 生と死が私たちに与える影響はとても大きい。きっとこの世界で1番のパワーを持っている事象。
 なんでだか私は、死は救済、と常日頃言うキャラクターみたいになっていますが、それはまぁ半分はそう思っているもののもう半分はそう言っときゃみんな納得するし面倒くさいからその言葉を借りているのです。

 死は救済?100%そうだろうかという疑いはあります。救済という言葉はあまりにも崇高すぎると思ったからです。

 私にとっての死のニュアンスというものは、例えば光があるから闇があるとか、表と裏みたいなのとか、ただ生と死が地続きになっているということを言いたいのですが。上手い言葉が見つからないのです。

 生きていても良いことと悪いことは起こります。死についてもそうだと思うのです。死んだって良いことと悪いことがあると思うのです。ただ私たちは、死に関して悪いことばかりに目を向けすぎていると思います。
 生きてて辛いことがあるんだから、死んで良いことだってあるはず。さっき書いた母の言葉じゃないけれど、そう思っています。6話目の死は前向きな死を描いたつもりです。
 自然なことなのです。死とは。

 それと私が死ネタ好きなこととは全く関係ないんですけども!
 つまりは……あー、死を毛嫌いする人と話すとそういう気持ちがムクムクと出てくると言いますか。悪いことばっかじゃない。毛虫だって羽化したら綺麗な蝶になるじゃないか。私は蝶とか蛾って気持ち悪いから嫌いですけど。

 転んだ時に地面に着地して我に返るまでがスローモーションのように思える現象ってあるじゃないですか。
 あれって多分死ぬ間際にも発生したりするんじゃないかなと思います。
 2話目のお話の世界のイメージは正しくそれです。

 リセットは彼らにとって死であるかどうか、は、まぁ色々な考え方があるかなと思いますが。少なくとも、リセットされる時間を生きる彼らにとっては死であろうと私は思います。
 先程書いた、いやに冷静になる時間、それを描いたつもりです。あの9ページはただただ一瞬で過ぎ去る時間を1フレームごとに切り取って漫画にしたという風に思ってください。
 その一瞬が過ぎ去った直後、2人はもうお互いのことを覚えてはいません。

 ああそれにしても、5月のイベントにこの本を作れていたらサンフリ死ネタ本のビッグウェーブに乗れていましたのに。
 でも「そのビッグウェーブに乗ってたら他の人の作品と比べられちゃってたかもよ?」って言われて、そうかもと思いました。
 じゃあいいか。でもページ数は勝ってるもん。勝ち負けじゃあないんだわ同人ってのは。でも己との戦い。ハートとハートのぶつかり合いだね。

 最後に、原稿中に聴いてたイメソン兼作業用BGMをまとめます。イメージとしては、グラデーションで、全部地続きで全ての作品に通して繋がるBGMです。よくわかんない。

One Love/嵐
ハナミズキ/一青窈
イチオクノホシ/嵐
瞳の中のGalaxy/嵐
Love so sweet/嵐
SWEET HURT/reona
───
ワンハンドレッドライフ/植田真梨恵
君が笑えるように/嵐
向こう側の王国/谷山浩子
バタフライ/クラムボン
Imaginary Affair/KOTOKO
soup/04 Limited Sazabys
fog/04 Limited Sazabys
さよならのかわりに記憶を消した/植田真梨恵
ペースト/植田真梨恵
冷たい水の中をきみと歩いていく/谷山浩子
Imaginary/04 Limited Sazabys
Paper Planes Falling Down/カフカ
眠り姫/パンパンの塔
Alice Breaks Stories/カフカ
星より遠い/谷山浩子
Sugar&Salt/櫻井翔
Bitter sweet/嵐
Password/04 Limited Sazabys
Flashback/嵐
compact karma/04 Limited Sazabys
最愛/福山雅治
昔の話/植田真梨恵
アルバム/kiki
わかんないのはいやだ/植田真梨恵
ROCK YOU/嵐
はらわた/ZOMOZ
ココロチラリ/嵐
コイゴコロ/嵐
プリーズプリーズ/植田真梨恵
milk/04 Limited Sazabys
Give me/04 Limited Sazabys
シルバーリング/嵐
海の時間/谷山浩子
道標/福山雅治
hello/04 Limited Sazabys
日々/吉田山田
旅立つ日/JULEPS
my life/04 Limited Sazabys
泣いてない/植田真梨恵
きえるみたい/植田真梨恵
memory lane/04 Limited Sazabys

 ああたのしかった。それではおやすみなさい。