薄汚れた翼は、でも、君に似合って美しい
※このブログには ゲーム ｢シンフォニック=レイン｣のネタバレがふんだんに含まれています。このゲームをこれからやりたいと思ってる人は絶対に見ない方がいいです。普通に各ルートのエンディングとかの詳細書いてるけど説明らしい説明もしてないです。ミリしらでも読めなくはないけど意味わかんないと思うので、詰まる話が自衛してください。そんでもってシンフォニック=レインをプレイしてくれ……。Steamのリンク貼っとくから。(アフィじゃないよ！)
全文6000字超えの感想文です。全クリ前に書いてる部分が多いのでちぐはぐなところあるかもしれない。
そもそもシンフォニック=レインってなんぞや？って人は下記サイトを御参照ください。(太字は重要)
アニヲタWiki(仮) - シンフォニック＝レイン #atwiki https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/11310.html
Steam版 購入ページ
https://store.steampowered.com/app/629650/Symphonic_Rain/
さて、まずは私がシンフォニック=レインを知った経緯を簡単に説明しましょう。
こちら↓の動画を中学だか高校の頃に見たのがきっかけですね。
「鬱ゲー」なエロゲランキングベスト21+α http://www.nicovideo.jp/watch/sm4862518
なんて擦れたもん見てんだとお思いでしょう。厨二病だったんですよ。今もそうだけど。
で、この動画で結構上位の方に入っているシンフォニック=レインですが、エロゲではありません。普通に全年齢対象のゲームです。まぁそういうシーンあるにはあるんだけど。サラッとね。
その時に気になったゲームの公式サイト巡って、PV見て、主題歌いいな〜って思ったやつのうちの一つがシンフォニック=レインです。時々カラオケでオープニングテーマ歌ったりしてました。
いずれはやりたいな〜と思いながら結構な時間が経ち、先日Switchを買いe-shopを眺めていたところなんと移植されてるじゃないですか。しかもGWセールで半額2400円になってるじゃないですか。買った。
とりあえず最初はゆっくり進めつつ、普通に主人公には恋人(アル)が居るので、規律を重んじる極めて平和主義な私は｢ﾖｯｼｬ 故郷に戻ってアルと幸せになろ！｣と張り切りました。
1周目はどの子ともそんなに仲良くせずプレイしてたら汎用バッドエンドに直行しました。しゃあないべな、これはノベルゲー初見に良くあることだなと思いつつ2周目はトルタルートへ。つつがなく最後まで進みグッドエンドまでありついたものの、内容自体は全然幸せとは程遠く。トリックかと思った。だってラストシーンで攻略したはずのトルタから｢それ以上近づかないで！！｣とか言われるんですよ。
てっきりトルタルート進めれば最終的に選択肢でアルとトルタどちらを選ぶのか迫られるのかと思ってたけど全然そんなこと無かったんだぜ。
そもそもエンディング自体誰ルートがある訳？と思ってエンディングのルートだけ調べたところ、そこで全ルート辿るのに推奨の順番を発見しました。それ曰く(リセ→ファル→トルタ→トルタ視点→フォーニ)らしい。
｢へ〜｣と思い次はリセルートへ。動画のコメでリセとファルのルートが鬱と聞いてたからあんまり早々にやりたくなかったが仕方ない。
(リセルート完走)
おい。なあ。グッドエンドなのに誰も幸せにならねえじゃねえか。おい、なんとかいえよなあ。リセルートのバッドエンドの方がグッドエンドよりもグッドな気さえしました。
終わり方自体には希望は見えたけどさあ、ちゃうねん、望んでいたのはそうじゃないねん。
リセを父親から虐待を受けている状況から救い出して2人で幸せに暮らすみたいなのをさあ。いや劣悪な状況から救い出せてはいるけどさあ。なあ。おい。
しかも幸せがなんも見えない中で始まるリセのエンディングテーマが跳ねるようなワルツ調の可愛い歌で、今まで読んできたテキストとのギャップがすごすぎて思わず放心してしまった。
しかも朝っぱらにこのルートをクリアしたので尚更つらかったな。個人的には1番残酷で鬱なルートなんじゃないかなと思います。
リセに関してはクリスに出会ってクリスがリセに深入りした時点でもう詰みでしょ。出会う前とエンディング後どっちがマシかと言われたら悩むけど。でも他のルートで出会いイベ以外でリセに会うことが一切ないってことは、やっぱりクリスに出会わないことがリセの人生にとって最善だったんじゃないかなと思ってしまいますね。ごめんねリセ……幸せに出来なくて……。
はい次。次はファルルートです。(嫌でした)
(ファルルート完走)
ああああああああああ！！！！！(精神崩壊)
なるほどね、ファンから彼女が様呼びされてる理由も怖がられてる理由もよく分かりました。
みんなのトラウマ、発表の前日にファルがクリスに本性を明かすシーン、私は背中に謎の痛みが生じて咳が止まりませんでした。早い話がストレスによる体調不良ですね。ゲームでこんなんなるの初めてだわ。
途中までファルが料理作ってくれる時に肉がどうこう言ってたからもしかしてやばい肉食わされてる？とか思ったけどかすりもしませんでしたね。どっちの方がマシでしたかと言われるとどっちも嫌ですね！
ラストはまあ、そういう終わり方もあるのか、という感じです。リセルートよりは救いがあるのかもしれないと、今なら思います。
それにしても彼女の本音を聞けば聞くほどそれまで別のルートで見てきた言動を思い出すと大変恐ろしいですね。リセのこと嫌いなのに主人公の相談に乗ってたのか、その時の｢あまり他人を信用してはいけない｣という発言は……。
ちなみに今回のブログの題名はファルルートでアーシノがファルに言った言葉です。なんというか、特に印象に残ったセリフだったので。
さて、件のシーンで何故そこまでストレスを感じたのかちょっと考えてみました。ファルがクリスに近づくために色々してきた〜という、彼女に裏の顔があるっていう点は歌の内容とかでそこそこ予想ついてたので｢やっぱりか〜｣とは思いました。それにしたって豹変っぷりには心底驚いたけど。声優さんってホントすごいな。ただ、私はそれよりも親友ポジだと思ってたアーシノが実はクリスを見下し、利用していたという事実の方がキツかったですね。この事実は隠し通されたままであって欲しかった。これについてはトルタ視点ルートでもう少し深く触れられるのですが、そこも見ててつらかったな、ファルルート最初に見てたら間違いなく心折れてた……いや、どうにしろつらいが……。
クリスの友人として時々気にかけてくれてたアーシノの態度は作られたものだったのだなと。信頼を置いている友人に裏切られる系が私には1番きついんですよ。(実体験に基づくトラウマによる。)いじめとか嫌がらせに発展してなかったのがまだ良かったですね。
まぁでも発表後に会話はなかったものの、アーシノがクリスに遠くから手を振って、クリスがそれに応えるというシーンがあって救われた気持ちにはなりました。クリスがすぐにアーシノに見切りをつけるキャラじゃなくて本当に良かった。
他のルートでも、利用はしてはいるけどそれを態度に出さずに接してくれたし。フォーニルートでクリスが風邪引いたの気遣ってくれた時はちょっと泣きそうだったよ。
アーシノ……、私はあんたはクリスの1番の友達だと思ってるからな。(誰目線だよ)
話を戻して、晴れてトルタ視点ルートへ。(トルタ・リセ・ファルの3人のルートをクリアすると解放される。)
……と、あれ？トルタ視点なのにアルのモノローグから始まるやん。……え？
はい、ここでやっとプレイヤーは、今までアルだと思って接してきた女の子・アルが書いたものだと思っていた手紙がトルタの変装・トルタが書いていた手紙ということを知らされるんですね。
一応ミリしらの人向けにその経緯を端折って言うと、ピオーヴァの街に引っ越す前日にアルとクリスは事故に合い、アルは意識不明のまま入院、クリスは心神耗弱状態のままトルタと共にピオーヴァに引っ越しをすることに。そしてクリスは事故の記憶を忘れてしまいます。ショックが大きすぎて記憶に蓋をしてしまったわけですね。引越し後にトルタはアルとクリスが手紙のやり取りをする約束をしていたことを知らされ、アルの振りをしてクリスに手紙を書く、という訳です。
そして今まで当たり前に降っていた雨も心に傷を負ったクリスが見ていた幻覚であるということも知らされることになります。ファルとの出会いのシーンでクリスに傘を差し出した時も雨なんて降っていなかったんですね。(ってことはクリスを精神異常者と知りながら｢ずっと一緒にいてあげる｣とか言ってたんですね……愛が深ｧｲ……)
リセルートでも相合傘でリセを家まで送り届けるシーンや、その傘を持ってリセがクリスの家へ来るシーンが何回かあったけど、それに合わせてくれてたのはトルタからその事を聞いて分かっていたからなんですね。優しいなぁ。
そんな裏側を知った状態で、プレイヤーはトルタの目線から今までの日常を見ていくことになるわけです。そうするとまぁ色んな点が繋がっていきシナリオ中に張り巡らされた伏線とか、その時のトルタの心境とかの描写にはもう脱帽でした。トルタの持ち歌の｢秘密｣の歌詞も納得。『全部言えたら』っていうのは恋心だけじゃなくクリスやアルの現状のことも全部ひっくるめてなんでしょうね。16〜18歳の女の子が背負うにはあまりにも重すぎる。
で、トルタ視点のグッドエンドも完走。これもつらいルートだった。
終盤の選択肢が気になって選んでみたらエンドが変わりました。どうやらトゥルーエンドらしい。
トゥルーエンドでは発表後の夜にクリスはトルタから話を聞き少しずつ色々思い出し、その夜の最終列車でトルタと故郷へ帰ります。
次の日の午前中に到着し、やっとクリスとアルが対面できるのか！と思いきや。アルは2人が来る1日前の朝……つまり発表がある日の朝に亡くなったということを病院の看護師から聞かされます。エンディングが流れた後にアルが埋葬された後にクリスとトルタは2人でアルへの鎮魂歌を演奏して終幕……と。
さて、ここまでで何となく今までのエンドで｢？｣となったシーンも何となく筋が通った気がしました。
まず1つ目は、リセルートの最後で、心神喪失状態のリセに毎日フォルテールを演奏し聞かせるクリスに対してトルタが｢贖罪のつもり？｣と問うセリフがありますが、私は最初｢それは何に対する？リセをこんな状態にしてしまったことについてかな？｣と思っていました。が、｢あ、こりゃちがうな。｣と。
リセルートではクリス達は故郷に戻ってきていて、リセがその街の病院に入院しているということはクリスはアルの死に直面するはず。とすると自動的に今までの手紙のことについてトルタから説明があるはず、つまりこの行為はピオーヴァで過ごした3年間ずっとアルに何もしてあげられなかったことへの贖罪ということなんですね。
2つ目は、ファルルートのラストのシーン。ファルルートでも2人はまずクリスの故郷に帰ります。故郷に向かう列車の中でファルは｢クリスさんはアルさんに会ってください、会わなくてはいけない。｣という内容のことをクリスに言います。ここでも私はやっとクリスがアルと直接会うのかな？と思ってたのですが、故郷に帰った後のシーンは全く描かれず、エンディング後のエピローグでも何事も無かったかのように2人の音楽家としての日常が描かれます。それも恐らく、2人が故郷に持った時点で既にアルが亡くなっている、それをプレイヤーがまだ知ってはいけないから描写されなかったのでしょう。あとこのルートのクリスの精神は壊れたままな気がする。ていうか……アルがどんな状況なのかもファルさん知ってたのかな……。
さてさて、そしていよいよフォーニルートを攻略します。(上記の4ルートをクリアすると解放される。)
最初の方は他のルートと変わらないけどヒロイン達全員と出会った後の行動が変わります。そして今まで謎だったフォーニに焦点が当てられフォーニの秘密が明らかになっていく……と言った具合。結論から言うとフォーニルート=アルルートなんですね。
これまでのルートのフォーニの言動などを思い返しながら進めてると、12月中ばくらいで｢あれ……フォーニってもしかしてアルの生霊……？｣と予測し……、まあそういうことだったんですけど。フォーニがトルタのこと好きな理由もわかるし、トルタルートでおばあちゃんの家に行った時の事とか考えると胸がキュッとなりますね。
てっきりフォーニルートでは I'm always close to you を演奏しまくるのかと思ってたけどそんなことなかった。fay めっちゃいい歌ですね……このゲームの挿入歌で1番好きかもしれない。曲調も歌詞も明るいのにこれまでの事考えると泣いちゃうよな。
他のルートに比べたらイベントの数というかシナリオのボリュームがちょっと物足りないかなぁなんて思ったりもするけど、今までのルートでもフォーニは消えるまでずっと一緒に居てくれたので、実質このゲーム全編がアル(フォーニ)とクリスの物語だったのかななんて思います。
ほんとに幸せなエンディングがあって救われたよ……。っていうかこのルートにたどり着かなければならないから他のルートがわだかまりのある終わり方だったとも思えます。
私自身そんな頻繁にノベルゲー(特にフルボイスのやつ)やらないんですけど、これは本当にいいゲームだったなと思います。1番最近にクリアするまでやったギャルゲーってAB！1st (もしくはこれもギャルゲーに含まれるのならドキドキ文芸部)なんですけど、ほんとに買ってよかった。他にも気になるタイトルがセールしてたからめちゃくちゃ迷ったんですよ。夢現とか白衣とかテラとか。いやこれはねぇ……大正解でしたね。私に刺さりまくる内容でした。色んな意味で。
1番好きなキャラ誰かって言われるとめちゃくちゃ迷うけどヒロインなら断然アル、脇キャラ含むならコーデル先生ですね。あとチョコラータ飲んでみたい。
もし機会があったら後日談のサイドストーリーも読みたいです。(特にリセ)DLC出して。(プレリュードは今途中まで読んでる)
今後は音ゲーも少しやりこんで、せめてNormalをちゃんとプレイ出来るようになりたいですね。判定厳しいし普通にムズすぎない？あの音ゲー。
こんなところですかね。書きたいことはあらかた書いたので私は他の人の考察とか感想でも読みに行きます。出来れば興味持った人には是非自分の手でプレイして見てほしいです。それでは。
〆
